精神科に入院中。よく話す女性がいた。
その女性が、年配の男性と談笑している。
「も~~!○ちゃん!このクソジジイがさー!(笑)」
急に声をかけられた。
その “クソジジイ” は、△△さん。
横でニコニコ笑っている。
『仲良しだねー!』
そう声をかけて、その場をあとにした。
次の日。
あの年配男性が、今度は違う女性と話している。
「も~△△さん!最悪~っ!(笑)」
またもや、女性が楽しそう。
男性も相変わらずニコニコしている。
《みんな楽しそうでいいなぁ。》
そう思いながら、長い廊下をフラフラと歩いていた。
すると―
「○ちゃん、あの△△さん知らない?」
『あー…さっきあそこの椅子に居たよ、✕さんと』
「…気をつけてね。あの人、最低だから。」
『えっ……そうなの?いつも楽しそうだけど…』
「ちがうよー!あれ、下ネタ言って困らせてるんだよ。○ちゃんまだ言われてない?」
『んー…挨拶しかしたことないかなぁ』
「あの人ねー…アタシに “女は穴と豆さえあればいい”
とか言ったんだよ!気持ち悪い…」
……本当に、とんでもねークソジジイだった。
でも、そういえば。
同じ部屋で、年齢も近い女の子がいた。
その子は
「私が悩んでるとき△△さんが “若いときは悩むもの。あまり気にしなさんな” って言ってくれて…」
その言葉が嬉しかったらしく、
いつも暗い彼女の表情が、明るくなっていた。
《んー…まぁ、私も色んな顔あるしなぁ…》
なんとも複雑。
―あのサンタクロースも…裏の顔あんのかな。
子供たちのためにプレゼントを配ってるけど、
そうでない時は女をはべらせてたりして。
ピエロも。
普段ニコニコしてるけど、裏では深く落ち込んでたり
人には見せられない面もあったり…
…やめとこ。
子供のころ、我が家のサンタさんの正体が
母だと知ったときの衝撃…
もう、あんなの経験したくない。
私を産むことを周りに反対されてたとかも…
知りたくなかった。
私は、表の綺麗なとこだけ見ていたい。


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