【ひとり短編劇 #2】レシートを捨てる前

頭の中

近くのスーパーでたくさん買い物した。

《…いらねーな》

レシートをゴミ箱に捨てようとした、そのとき。

《あっ、店員さんの名前書いてるかも…》

個人情報が気になって、手が止まる。

広げて見る。

名字だけが書いてあった。

《んー…とりあえず印刷面内側にしとくか》

―私はなんて気遣いの出来る人間なんだろう。

自分に感動して、涙腺が緩んだ。

冷凍の肉もアイスも買っている。

早く冷凍庫にしまわないといけない。

なのに――。

涙で前が見えない。

気付くと、グシャッと私の手によって潰されたレシートがゴミ箱に。

…印刷面がみえている。

《まぁ…見えないっしょ》

気遣いって、難しい。

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