私は引きこもりなんかじゃない

頭の中

青く澄んだ、広い空。

太陽がぽかぽかと心地よい。

外から楽しそうな声が響いている。

…鬱陶しいなぁ。

窓辺に置いてある二段ベッドの下が、私の部屋。

周りを布でぐるっと覆う。

上で寝ていた兄は、バイトへ出掛けてる。

私は、家から一歩も出ずここで一日を終える。

高校中退後に始めたバイトは、もう辞めた。

「あんたは挨拶もせんのね!?」

『あっ…すいません。……帰ります。』

「帰りますだって(笑)…“お・さ・き・に・し・つ・れ・い・し・ま・す ” でしょ」

『…お先に失礼します。』

背を向けた後も、母より年上の女性たちの失笑が。

《これで時給650円か…》

せっかく貰ったバイト代は、母のもとへ。

生活費へと消えていく。

《どうしよう。どんどん私じゃなくなっていく…》

次の日。

早くバイトに行けと母が怒鳴っている。

が、もう昨日で辞めた。

何の鎧も無いまま…ここまで一人、戦ってきた。

もう疲れた

いつものように、“私の部屋” でうなだれていると…

キャッキャと賑やかな声が。

私はカーテンを指でそっと開け、

壁にもたれたまま外を眺めていた。

自転車で先に行く彼氏を追いかける、可愛い彼女。

楽しそうな声が遠ざかっていく。

《…いいなー…いいなー……いいよなー、お前らは…》

妙に身体が熱い。

《私は引きこもりなんかじゃない》

誰かに向けて訴えた。

私を置いたまま、今日も外の世界は続いている。

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