現実

頭の中

また忘れてた。

私、障害者だったんだ。

役所の書類を書いてて思い出した。

さっきまで、back numberの高嶺の花子さんを口ずさみながら、ご機嫌で洗濯物干してた。

娘もバイトへ。

久しぶりに何もない日曜日だしと、溜まってた書類に目を通してた。

提出期限の迫った書類。

《あー…そうだった。いま書こうかな。ダラダラしないで偉いな~私♪》

なんて思いながら、ペンを手に取った。

あれから15分。

笑えない。急に笑えなくなった。

【障害あり・なし】の “あり” の方に○をつけた。

いつものこと。

なんだけど…すっかり忘れてた。

だって毎日、普通に笑ってるし家事もしてる。

鼻歌も歌えるし、一人で外に出て《いい天気だな》って幸せも感じてる。

でも…

仕事は【無職】の欄に○をする。

B型就労だから。これは仕事ではない。

バスに乗るときも、障害者として交付されたパス。

私が普段話す大人たちも、みんな支援関係の人。

忘れてたよ。自分が障害者だったって。

…嫌だな。

現実を突き付けられると、いつも消えたいと思ってしまう。

さっきまでご機嫌だった私が…かわいそう。

自分のこと “普通の人” だと思ってるんだから。

さっさと書き上げて、書類はしまった。

見たくない。思い出したくなかった。

今日もぬくぬくと、換気扇の音が響く静かな部屋に守られてる。

普通に憧れて…まるで、普通の人みたいに呼吸して。

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