「デブだな(笑)」「一発芸して笑わせてみ?」
―こんなことを言われても、ニコニコしていた。
夜のお店で働いてたとき。
“それが仕事”
その通り。
《仕方がない。》
いつもの自分を頭の端に追いやって。
《本当の私はどれなんだ…?》
トイレに立った、ほんの数分。
真顔になって自分を取り出して。
また席については、笑顔で違う私を呼び出して。
接客中ふと、壁の鏡に映る自分と目が合う。
《…わたし……?》
「おい!ボーッとすんな(笑)」
客の声にハッとする。
《…ああ、戻さなきゃ………どれだっけ。》
いつもの私以外なら、どれでもいい。


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