3分間

頭の中

「私の診断名を教えてください。」

かかりつけの心療内科に電話した。

診断名を書かなきゃいけない書類のために。

「発達障害です。」

主治医の冷たい声が脳を突き刺す。

『…は?えっ?私がですか?

…いや、そんなの言われたことないですよ(笑)

不安障害とかじゃないんですか?そうですよね?』

いつの間にか責め立てていた。

「診断名は、発達障害です。あなたは~…」

主治医が何か言っている。

でも頭に入ってこない。

電話を切ったあと、ふと時計を見る。

“15:00ジャスト”。

しばらく、呆然としていた。

―でも。

『そっ…かぁ……。』

そう呟きながら、顔が歪んでいくのを感じる。

頬を伝うほど涙が溢れていた。

握っていたはずのボールペンが、床に転がっている。

《発達障害?…まぁそういう人もいるよね》と。

自分には関係ない世界だった。

…まさか。

―あの時の空気、あの人の表情…

次々と頭を駆け巡る。

窓から西日が差していた。

耳が痛くなるほど静かな部屋に、

鼻をすする音だけが響いている。

ふと、時計を見上げる。

“15:03”。

何気なくかけた電話。

あの瞬間、私の心は

抜き取られたように空っぽに。

なのに…

たった3分しか経っていない。

『…ふふっ…』

さっきまでの私には

もう、会えないのかもしれない。

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