「私の診断名を教えてください。」
かかりつけの心療内科に電話した。
診断名を書かなきゃいけない書類のために。
「発達障害です。」
主治医の冷たい声が脳を突き刺す。
『…は?えっ?私がですか?
…いや、そんなの言われたことないですよ(笑)
不安障害とかじゃないんですか?そうですよね?』
いつの間にか責め立てていた。
「診断名は、発達障害です。あなたは~…」
主治医が何か言っている。
でも頭に入ってこない。
電話を切ったあと、ふと時計を見る。
“15:00ジャスト”。
しばらく、呆然としていた。
―でも。
『そっ…かぁ……。』
そう呟きながら、顔が歪んでいくのを感じる。
頬を伝うほど涙が溢れていた。
握っていたはずのボールペンが、床に転がっている。
《発達障害?…まぁそういう人もいるよね》と。
自分には関係ない世界だった。
…まさか。
―あの時の空気、あの人の表情…
次々と頭を駆け巡る。
窓から西日が差していた。
耳が痛くなるほど静かな部屋に、
鼻をすする音だけが響いている。
ふと、時計を見上げる。
“15:03”。
何気なくかけた電話。
あの瞬間、私の心は
抜き取られたように空っぽに。
なのに…
たった3分しか経っていない。
『…ふふっ…』
さっきまでの私には
もう、会えないのかもしれない。


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