失敗作なりに

頭の中

私は、母の失敗作らしい。

母は家族に恵まれてないと。

私が子供の頃から困ったとき、分からないとき…

何も、何も手を差しのべないのに要求が多い。

学校に行きたくないと言っても聞いてもらえず。

このとき、とっくに心は死んでいる。

何があったか知ろうとしない、寄り添ってなんかくれない。

高校は不登校になり中退。

すると「学校行かないなら働きなさい」と。

私がバイトを始めると、私の給料のせいで手当の額が少なくなったと。

「あんたの小遣いになったら困る!」と怒られる。

私の人生でいちばん大事な決断を、母が決めた。

何度も抗議した。

無視されたし、怒鳴られた。

それで結果的に私の言ったとおりになると、母は

『あんたが変わると思った』と。

変わらなかった私が悪いらしい。

そして、母は被害者だと。

つらくて希死念慮があった時期、初めて母に『死にたい』と言った。

すると…

「死なれても迷惑」と。何度も。

こんな家から離れたかった。

でも、母から

「家のことを他人に知られたらお母さんが捕まるかもしれない」と言われていた。

だからずっと、誰にも相談できなかった。

34歳で、私が初めて母に本気で逆らったあの時。

《母が捕まろうがどうでもいい。知らん》と思った。

書ききれない。すべて書くつもりもない。

…ずっと、一人で走らされてきた感覚。

もう頑張れない。頑張りたくない。

引きこもり、16歳からアルコール依存に。

それでもおかしいのは、私らしい。

甘えてると。心が弱いと。

……そうですか。そうですね。

母が憎い。許せないことがありすぎる。

でも、お母さん…

私はなぜか、あなたを嫌いになれないんだよ。

あなたの言うとおり。弱いのかもね。

笑ってると私も嬉しいし、悲しそうな顔をしてれば

私も悲しいし辛くなる。

ずっと幸せでいてほしいと、心から願ってる。

こんなこと、母は一生知ることはないだろう。

言わないから。

母と暮らしているときに受けた、知能検査。

結果は、境界知能だった。

そして昨日。14年ぶりに受けてきた。

標準になってた。平均より高い項目もあった。

「凄い!凄いですよ」心理士さんが、何度も言った。

「こういう検査って、大きく変わることは通常ないんです。だから驚きました」

心理士さんから渡された紙には、

“大変な環境の中、抜け出す努力をし”

“ひたむきな努力が今回のIQ上昇という稀に見る素晴らしい結果に表れたのでは”

と書かれていた。

…母は、この事を知ることもないだろう。

言わないから。

どうかな。

私はあなたの失敗作だけど、

いっぱいいっぱい頭を使って、なんとか生きてるよ。

なんか、最近疲れてきた。

でも…私が死んだら迷惑らしいから。生きないと。

《母が迷惑だろうがどうでもいい。知らん》

と、思えたとき……

そのときは、そのとき。

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